技術書典8(技術書典 応援祭)で同人誌を初販売した話
技術書典8 で初めて本を出しました。その時に困ったこと、こうしておけば良かったことを記録として残します。
技術書典とは
技術書典とは、技術書だけの同人誌即売会です。2020年3月で8回目になります。今回は、新型コロナウィルス(COVID-19)の影響で物理での販売は中止になりました。また、今までは1日だけのイベントだったみたいですが、今回行われていれば、初の2日に跨いだイベントでした。
物理での販売は中止になりましたが、導入を検討していたらしいオンラインでの販売(技術書典 応援祭)が即席で可能になりました。これは、3/7 ~ 4/5 まで行われました。
サークル応募するときに気をつけること
開催日は、2/29(土), 3/1(日)の予定でした。受付を開始したのは、11/5(火)です。年に2, 3回行われているので、受付を開始していなくても早めに動いて良さそうです。
受付時点で、以下の点は決まったほうが良いです。印刷関係は物理本を頒布する場合の話です。
- 印刷所
- 参加人数
- ジャンル
- 書く内容
- 頒布数
- ページ数
- 販売形態(物理だけか電子だけか両方か)
印刷所
印刷所によってスケジュールが異なります。安くなる期間、高くなる期間は把握しておきたいです。
また、搬送方法なども把握しておきます(直接搬送可能か)。 印刷所によって出来る印刷方法が異なりますのでどんな本にしたいかも決める必要があります。 オフセット印刷か、オンデマンド印刷か。中綴じか、無線綴じか。表紙はカラーか、全カラーか、紙の質はどうするのか、など何が出来て、どうしたいかを決める必要があります。ここが決まると印刷所が絞られます。
同人誌を買ったことがある人は、本の見た目や質感が良かった本がどこで印刷されているか見てみましょう。大抵、最後のページに記載されていると思います。印刷所によっては、紙の質のサンプルを送って頂けるので、早めに確認しておきたいです。
参加人数
自分含めて最低二人参加出来るのが望ましいです。トイレに行けなくなってしまいます。コミュ障の人にとっては、人脈が必要になるので難易度高いですが……。
ジャンル
参加受付時に、記載する必要があります。これによって配置場所が決まります。ジャンル自体は後で変更が可能ですが島のジャンルに合わなくなるので最初で決めれるなら決めたいです。
書く内容
初心者向けか、そうではない人向けか。誰向けの本なのかまたは、どんな本を書きたいのかを決めます。
これも後で変更可能ですが、サークルが一般公開された場合、参加者が事前に情報を集めるので、それまでには確定しておきたいです。ジャンルと合わせて一般公開までに決めるべき項目です。
頒布数
参加受付時に記載する必要があります。これとページ数によって(もちろんそれ以外も)配置場所を参考にするようなので一度決めたら変えないほうが良いでしょう。初めてなら20~30でしょうか。印刷所との料金と自分の財産とも相談する必要があります。
ページ数
頒布数と同じです。また本を書く時のスケジュールに影響します。内容によりますが、20p~50pぐらいなら書けると思います。
販売形態(物理だけか電子だけか両方か)
電子か、物理か、両方か。電子だけなら印刷所を決める必要がないので楽ですが、頒布方法を考える必要があります。物理の場合は印刷所やスケジュール、どんな本にするかなど考えることが多いです。
書くことに集中したい場合は、電子本のほうが良いかもしれません。ただ物理の場合は、いざという時に電子本に移行しやすいです。
自分は物理本を予定していましたが、中止になったので電子に移行になりました。ですが、印刷のスケジュールなどを考慮しなくてよくなったので良かったです。初めては電子がオススメです。
書く時に気をつけること
- 書く時間を作る(決める)
- 定期的に pdf に出力する
- 定期的に校正する(pdfで確認する)
- 強調や参照の書き方は最初からしておく
書く時間を作る(決める)
まとめてやるよりも定期的に書くほうが書きやすいです。また、書いてると調べたりする必要が出てくるので思ったよりも進まないです。
校正をしたり、自分の書く内容(書きたい内容)があっているかなどの確認や変更が出てくる可能性があるので、とにかく早く書いたほうが良いです。
早く書き上がると印刷料金も安くなりますしね!
定期的に pdf に出力する
校正するためにも、pdf に出力して自分が期待する見た目になっているか確認するためにも定期的に出力します。最初は、動作確認のために書く前にまず出力したほうがいいでしょう。
定期的に校正する(pdfで確認する)
校正するときは、pdf で読んだほうが良いです。なるべく本の形に近い形で確認するほうが発見が多いと思います。タブレットでペンを使って校正出来ると良いです。私は、iPad のファイルアプリからpdfを開いて、ペンを使って校正していました。これだと隙間時間に確認できて良いです。
また、校正した内容は早めに反映させます。
強調や参照の書き方は最初からしておく
強調や参照、表の作成など環境によって書き方は違うと思いますが、後で置き換えるのではなく最初からしておいたほうが良いです。その書き方を最初に身に着けておけば探し直す手間がなくなります(また校正で気づけます)。
また、書き方はなるべく早く決めて統一出来たほうが良いです。例えば半角のときは前後に半角スペースを入れるのか、コードの書き方はどうするのか、ですます調かである調かなど、表記の揺れは本の質を落とすことになります。
印刷(電子版の場合)
今回は物理的な印刷はしていないので、電子版の場合の注意点です。
- 出力した pdf は、様々な媒体で確認する
- ファイル名を決める
- ファイルサイズを確認する
出力した pdf は、様々な媒体で確認する
今回の一番の失敗ポイントです。
pdf の確認は、ブラウザでしか確認していませんでした。Mac と Windows それぞれで確認していましたが、販売開始してから Windows の Acrobat Reader では開けないことが運営の方から連絡がありました。 Mac で pdf を編集していたのですが、そのやり方がまずく、編集し直して販売しているファイルを入れ替えました。この間に一冊売れていたので本当に申し訳ないことをしてしました(再ダウンロードすればいいのだけど、購入した方に連絡する方法がない)。
ブラウザだけでなく、Adobe の Acrobat Reader でも確認しましょう(この二種類確認しておけば問題ないはず)。
ちなみに Windows のブラウザ(古い方の Edge)では問題なく表示されていました(これによって問題ないと思っていた)。
ファイル名を決める
これは販売完了してから気づいたのですが、最初に決めたてきとうなファイル名で販売していました。ファイル名にバージョン情報などあると良いと思います。
ファイルサイズを確認する
表紙を画像にする場合、ファイルサイズが大きくなる可能性があります。なるべく小さくしたい人は、確認しておいたほうがいいでしょう。
次回気をつけたいこと
今回でいろいろ課題が見えました。次回には改善したいです。
- 物理本で頒布する
- 印刷所、印刷方法を早めに決める(応募するときに決める)
- ポスターを作る
- 図、絵を入れる
- Re:VIEW の使い方を身につける
- 自分の書きたいことを全部詰め込めるようにする(必要ないものは削る)
全部行えるかは分かりませんが、良い本だと思ってもらえるように頑張ろうと思います。
ちなみに出した本は、技術書典 応援祭だけでなく Booth でも販売しています。
今回出した本を次回、物理本で販売出来たらいいなと思っているので、それまでにもっと良い本になるようにどこかで更新したいと思っています。それを告知出来る手段も用意したいですね。
また次回サークル参加が受かればそのときは、新しい本を書こうと思っていますので、買って頂けるように頑張ります。
販売実績
3/15 に販売開始して、全部で13冊売れました。
途中参加にも関わらず思ったよりも売れました。購入して下さった方には感謝しています。同時に期待に沿えた内容になっているか不安ではありますが、これは徐々に改善しようと思っています。
最初の週あたりの販売数で止まるかなと思っていたのですが、終わりの方で8冊売れているので、傾向としてはイベント終了間際が一番売れやすいんですかね。
ここには載せておらず、データが少ないので確かなことは言えないですが、夜から深夜(17時~25時)あたりによく売れています。朝に買う人は少ない印象です。平日は深夜で、休日は昼から夜に売れています。平日は深夜に購入する人が多いのが驚きでした。運営の方が定期的に特集をしていたのでその影響もあるのかもしれません。あまり把握出来てませんが。
正直、物理で売る場合はこんなに売れない気がしています。また、このデータを参考に次回の頒布数を決めたいと思います。
ここらへんのデータが簡単に取得できると嬉しいなぁ。
終わりに
初めての同人活動でしたが、総合としてはやって良かったです。購入して頂いた方に満足してもらえたかは分かりませんが、自分にしてはよく出来たんじゃないかと思います(反省点も多々あります)。また、本を出す以外にも販売する楽しさも味わえました。自分で作った物がお金になるのってかなり面白いです。
次回はもっと良いものを作って売れるように頑張ります。
最後に、こんな状況の中短い時間でオンライン販売を行えるようにしてくれた技術書典運営の方々にはとても感謝しています。ありがとうございました。
表紙を描いてくれた友達にも感謝しています。ありがとう!